86RACE 初参戦!
2018.07.30
ドライバーからエンジニアから運営・広報まで全て社内で賄い
他車に習いつつ自分の走りを確立させ、社内告知に特化して
先ずは社内の認知を図りつつ後進に想いを伝承しつづけた。
自然にお客様とも徐々に繋がりが生まれ、観戦に来て頂ける人も
確実に増えている。更なる繋がりを生むために
レース内容そのものも進化しなくてはなるまい。
VITZ RACE & 86/BRZ Raceダブル参戦
今回はVITZ RACE参戦に加え参加車両も多くスピードレンジも高い
86/BRZ RACEへも今回初めて挑戦する。
ハードル高いレースへの挑戦だ。
ドライバーはVITZ43号車「勝利のレッド」を操る
わが社が誇るエース、エンジニアはいつものエース筆頭に
レギュラーメンバーに加えてレースごとに参戦する社員が
2名の布陣。
今日新たに歴史が刻まれる。
いつの日か86でもやってみたいねという言葉が現実になった。
会社が理解を示してくれ、参戦させてくれた。
メンバーはこの心意気に応えなければと気を引き締める。
社内を盛り上げお客様と繋がり、少しでも理想に近づく為に
全力でやっていこうではないか!と。
ナンバーはGRガレージ西宮の名前を冠した「438番」。
会社の心意気に呼応するかのようにメンバーが考えたナンバーだ。
分かる人には分かるリスペクト感溢れるナンバリングだ。
86は猛者ぞろいのカテゴリーだ。一番速い奴は一体どんな走りをしているのだろう。
未だ見えぬ遠い天空の存在。でも言い換えれば届かないからこそ
これから成長し伸びしろがあるとも云える。
VITZとはパワーも違う。駆動方式も違う。ボディの大きさも
ドライバーポジションも、そしてその車が生まれてきた経緯も
全てが異なる事から車の走らせ方が大きく異なる。
今迄の経験を活かせる部分と活かせない部分がある事を意味する。
かといってVITZレースも従来通りの参戦。
決して忘れて良い訳ではなく大きく頭の切替作業が必要だ。
でもそんな心配は杞憂に終わる。
予選は残念ながらAグループには残れなかったが
エースは初めての参戦でも練習通りの果敢な攻めを貫き
Bグループでポールポジションを獲った。
「イッパツかましてくるわ!」
夢にまで見た表彰台が見えている。出走前のエンジニアとの
グータッチにも力がこもる。今迄練習を共にし完全な車作り
をしてきたエンジニア。思い入れが違うのだろう。
とにかくその集大成が今から始まる。
数十分後に夢の光景が間近で見れる事を信じて。
さあスタートだ。
もう瞬間から音が違う。随分昔に同じ表現を使った記憶があるが、
まさしくカタパルトから飛び出してテイクオフする戦闘機のようだ。
しきりに後ろを気にしつつもそれでも勢いよくシフトを
上げていく。テンションが伝わってくる
第一コーナーを抜けると、まるで飛行機で高い山を越えた瞬間
広がる広大な景色のよう。レース場でしかも本戦でオールクリア。
予選でTOPを獲った選ばれし人のみに与えられる価値ある景色だ。
もちろん本人はそんな感傷にひたる余裕など微塵もないが
TOPの1台が数十台を引き連れている形となるその姿は
たとえ瞬間であっても格好いい。
今迄常に追う身で前を走る猛者でもあり手本でもあるライバルを
見つめて走り続けてきたが今回は違う。
少しでも油断すると平常心でガードされているメンタルのほんの
少しの隙をつつかれる。後ろから迫りくる大きな重圧に常に戦い
ながら自分の走りを必死で貫き周回を重ねる。
それでも4週目までは決壊をほぼ完璧に抑えてきた。
しかしそう簡単には終わらない。周りの猛者は言葉こそ発さない
ものの車の動きで大きく語りかけてくる。
5週目。後方車の戦闘モードが最高潮に達する。
2個目のコーナーを過ぎたあたりで1台が勝負をかけ一瞬で前に出る。
縁石をかすめて軽く上がる前車の砂埃が438号の鼻先を軽くつつく。
やられた!しかも速い!
くやしい・・・筈なのだが何故かTOPで走っていた時よりも
イキイキと走ってるように見える。
後になって追う方がコーナーへのアプローチや立ち上がりも
鋭くなったように見えた。
確かに完全に狙われて仕留められた。。。のだが、
このころから後ろを気にすることが少なくなり前に向かって
猛追し始める。彼本来の持ち味だ。
ラスト10周目。特に後半以降後ろからのプレッシャーは甚大だ
後半に勝負をかけるのはレースに於いては定石であり、だからこそ
想定内ではあるのだが、初めての参戦。VITZとは違う動き、表彰台が
見えているなどという今までになかった違う重圧だらけの中で
これ以上抜かれるものかと必死に平常心を保ちつつ走らせ続ける。
結果は2位であった。
レースを始めて3年目。
夢にまで見た表彰台だ。頑張りが報われる・・・
誇らしい気持ちと同時に今迄の事が古いフイルムのように
頭の中で映し出されていく。
これだ。俺たちはこれが見たかったんだ。
エースが表彰台に上がって祝福を受けるその姿。
最高に格好いいこのシーンにずっと憧れていた。
レースを始めた時からずっと。
今目の前でそれが行われている。最高に格好いい。
今回はお客様の観戦がなかったためそこが惜しい・・・
いつの間にかこの瞬間ために車を走らせていたのかもしれない。
ここからの景色は何物にも代えがたい。
下で見ていた私でさえ潤んだくらいだ。本人の感動は計り知れない。
初めての参戦でここまで来た。あとはAグループへの殴り込み。
ここで天下を獲りたい。またここに来たい。
そう想いを馳せたのは間違いない。
86/BRZ Race
目指す場所はまだまだ先にある。
夢はREACH FOR THE TOP!
VITZも86も目が離せない。